脳卒中とリハビリテーション その8 運動麻痺の特徴ー共同運動
2016/06/10
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「運動麻痺」についてお話ししました。
今回は「運動麻痺の特徴」についてお話ししていきます。
さて、前回までにお話ししたように、脳は部位によって担っている役割が異なるので、脳卒中による運動麻痺の種類や強さも病変の大きさや部位によって変わってきます。とはいえ、ある程度の原則はありますのでそれについて述べていきます。
原則として脳の病変の反対側の上肢と下肢に麻痺が起こることは理解していただいたと思います。その麻痺の程度は下肢より上肢に強く現れることが多いと知られています。またその中でもからだの中心に近い部分より遠い部分、つまり上肢では腕でなく手指の筋肉に、下肢では上腿や下腿でなく足先の筋肉に麻痺が強く起こります。これらはその遠い部分をつかさどっている脳の神経組織(神経細胞やその他)の血管がつまりやすいが一因です。
もう一つ重要な点は、脳卒中による麻痺は力が弱くなるだけではなく、動かそうとしたときに特有の筋肉の収縮パターンが生じることです。一般的に上肢の場合は腕を曲げるほうが伸ばすことより容易で、下肢の場合は伸ばすことのほうが容易です。このことにより麻痺のある脳卒中の患者さんは手足を動かそうとしたときに特徴的な動きが出現します。
たとえば、腕を上げるときには肩甲骨が持ち上がって後ろに引かれ、腕が外に開き、肘・手・首・手指が屈曲しやすくなります。下肢を伸ばそうとする場合は、下肢は伸びても内側に曲がり、足先も内側に曲がるような動きが出やすくなります。
このようにある一部の筋肉を動かそうとしても、同時にさまざまな筋肉も動いてしまうという特有の運動パターンが麻痺の回復過程でみられ、共同運動とよばれています。
今回はここまでです。次回は「運動麻痺の特徴」の中でも「連合反応」についてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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