脳卒中とリハビリテーション その26 促通手技
2016/07/28
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「健常者の歩行時の脳活動」についてお話ししました。
今回は「促通手技」についてお話ししていきます。
さて、少し話はそれますが、脳卒中による片麻痺の患者さんが、麻痺した下肢をうまく振り出せないために歩けない場合の訓練法について考えてみましょう。
まず単純に考えるとセラピストが麻痺した足部をもってその振出を機械的に助けてあげることで歩行が可能になるでしょう。
さらに別のやり方として、足部を直接さわらなくても股関節から骨盤の部分をセラピストが歩行のリズムに合わせて傾けたり回転を加えたりすることにより、麻痺した下肢の筋肉の収縮を引き出すことができます。
これは、ボバース概念に基づく治療に用いられるテクニックの一つで、促通手技(そくつうしゅぎ)とよばれるものです。
ボバース概念とは医師であるカレル・ボバース博士とセラピスト(理学療法士)のベルタ・ボバース夫人が開発・発展させたもので、中枢神経系(脳など)の病変のために筋緊張、動作や機能の異常を生じた個人の評価と治療に対する問題解決型のアプローチと定義されています。
これだけでは、なんのことかわかりにくいのですが、たとえば、脳卒中では麻痺のために、本来の生理的な運動ができなくなります。ボバース概念による治療は、セラピストが患者さんの麻痺した手足だけでなく、胴体や麻痺のない手足の動きや姿勢を整えたりして(ハンドリングといいます)運動や感覚の刺激を脳にいれていくことで、生理的なものに近い運動を引き出していくものです。
それでは、そのような訓練を受けている脳卒中の患者さんの歩行時にはどのような脳活動が見られるのでしょうか。
今回はここまでです。次回は「実例にで見る歩行機能の回復」についてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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