脳卒中とリハビリテーション その35 脳卒中の症状と入院生活
2016/08/09
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「リハビリテーション病院での入院生活」についてお話ししました。
今回は、「脳卒中の症状と入院生活」についてお話ししていきます。
さて、脳卒中の主な症状を示します。脳や神経が傷ついてからだがうまく動かなくなった状態が運動麻痺で、もっともあらわれやすいものです。触覚や痛覚、温度感覚が低下する状態を感覚障害といいます。ほかにも、バランスをとったり細かい精密な動きが難しくなったりする小脳失調、ろれつが回りにくくなる構音障害、食べ物の飲み込みが悪くなる嚥下障害、言葉の理解や表現が困難になる失語症や、身の回りの状況や日時の感覚がわからなくなったり、見えるものや聞こえるものの認知が悪くなったりする高次脳機能障害(記憶・思考・行動などの複雑なレベルの脳機能の障害のこと)などがあります。
脳卒中と一言で表しても、障害を受けた脳の部位や大きさにより起こる症状はさまざまです。また、前にあげた障害は一つだけでなく複雑に組み合わさる上、さらには本人のもともとの体力や持病もあると、症状は千差万別となります。
また、脳卒中により引き起こされる合併症もさまざまなものがあげられます。転院の時点ですでに伴っていることもあるし、入院期間中に新たに出てくることもあります。なかにはリハビリテーションの続行が困難になったり、せっかくの快復を妨げたりする合併症もあるので、つねに気をつけて対処していく必要があります。患者さんをたくさん診察して経験を積み、一人ひとりを深く観察し、どのような機能が伸ばせそうで、逆にどのような合併症が起こりうるか予測をたてて、早めに対応していこうとすることは医師の立場として重要なことです。
このような機能障害から引き起こされる、日常生活動作の不具合の確認もおこなっていきます。これを能力障害とよびます。日常生活動作とは、トイレ、更衣、歯みがき、入浴などがあげられます。麻痺の強い人はベッド上で寝たきりのために、実際はどれだけ身の回りのことができるか試さないまま転院してくる場合も少なくありません。
発症前の日常生活や家屋の状況についても確認します。日常生活については就業していた場合は職務内容や通勤手段、お年寄りなら発症前の活動状況は重要です。身の回りのことが自分でできていたか、趣味や好きなことは何か、外出をしていたか、家の周りに坂道や階段はないか、家のトイレやお風呂や階段の構造は使いやすいものか、部屋の敷居に段差はないか、などといったことも調べます。
今回はここまでです。次回は「リハビリテーション病院における検査」というテーマでお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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