パーキンソン病の病態への関与が推察されているさまざまな神経系 康祐堂鍼灸院
2016/02/06
現在では、パーキンソン病の病態においてはドパミン系に限らずノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリン、ペプチド系などさまざまな中枢神経系や、心臓交感神経節後線維、腸管のアウエルバッハ神経叢、マイスネル神経叢、末梢血管、汗腺等に分布する自律神経系にも同様な変性を生じることが知られています。 Braakは、このような病理変化が延髄の迷走神経背側、一部嗅球に始まり、脳幹に沿って徐々に上行していくという病態仮説(Braak脳幹上行仮説)を提示しました。すなわち、PDの病態は延髄および嗅球に始まり、橋被蓋および青班核を経て、中脳黒質や前脳基底部へと至ると運動症状として発現するようになり、やがて側頭葉内側部や扁桃体を経て、大脳皮質へと進展していくというものです。さらには、末梢の自律神経病変がこれに先行する可能性も指摘されています。PD患者の全例がBraak仮説に従うわけではありませんが、自律神経障害による便秘、脚橋被蓋核の障害が関与すると考えられるレム睡眠行動異常症(RBD:睡眠時随伴症の1つで、レム睡眠期に本来抑制されている筋肉の活動が抑制されず、夢の内容に一致して筋肉が動くため、眠った状態で、殴る、蹴るといった暴力的行動がみられることがある)、青班核や縫線核の障害によると考えられるうつが中脳黒質の障害で生じるパーキンソンニズムに先行して出現していることを踏まえると、PDの運動症状を呈する以前の臨床症状を説明する病態機序として非常に理解しやすい仮説といえます。 このように、PDは末梢、中枢神経を含む多系統の神経障害を背景として、運動障害のみならず認知・精神症状、自律神経症状、睡眠障害、感覚障害を含む多彩な非運動症状をも呈する疾患です。症状は一定の順序と広がりをもって徐々に拡大しますが、その経過、障害範囲は患者ごとに異なり、一様ではありません。PDの病態に関わる神経生化学的研究において、生化学的検査の多くは死後脳を用いて検討されていますが、結果の解釈には先述したような病期や死後変化、薬物の影響等にも配慮する必要があります。
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