パーキンソン病 その20 抗コリン剤とドロキシドーパ
2016/05/13
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「パーキンソン病の薬物治療」の中の抗パーキンソン病薬の種類と特徴についてお話ししました。
今回も引き続き、「パーキンソン病の薬物治療」の中の抗パーキンソン病薬の種類と特徴についてお話ししていきます。
さて、前回までに以下の六種類の薬を紹介しました。
1. L-ドーパ製剤
2. ドーパミンアゴニスト(ドーパミン受容体刺激薬
3. 塩酸セレギリン(MAO-B阻害薬)
4. 塩酸アマンタジン(ドーパミン放出促進剤)
5. 抗コリン剤
6. ドロキシドーパ(ノルアドレナリン補充薬)
前回は3の塩酸セレギリンと4の塩酸アマンタジンについてお話ししましたので、今回は5の抗コリン剤と6のドロキシドーパについてお話ししていきます。
まず、5の抗コリン剤からお話ししていきます。
パーキンソン病では脳内のドーパミン不足の結果、相対的にアセチルコリンが過剰になります。この薬には、その過剰となったアセチルコリンの働きをおさえて、ドーパミンとのバランス状態を整える作用があり、とくに振戦や無動に有効とされています。
ただし、副作用としてしばしば口の渇き、便秘、排尿困難などをともない、高齢者に大量に投与すると興奮・幻覚などの精神症状が出やすいことが知られています。また長期に使用すると認知機能が低下してくる場合もあり、現在は主に振戦の強い患者さんにのみ使われています。
次に6のドロキシドーパについてお話ししていきます。
パーキンソン病が進行すると、黒質に近い青斑核というところで作られるノルアドレナリンという神経伝達物質が減少し、すくみ足や突進現象などの症状が出現します。
この薬はノルアドレナリンの前駆物質(体内でノルアドレナリンに変わる物質)として、脳内でノルアドレナリンに変わり、不足しているノルアドレナリンを補充します。自律神経症状の起立性低血圧などにも効果があります。まれに消化器系の副作用が出ることがありますが、水に溶けやすいので、高齢者で胃液の酸性度が低下している人にも効果的です。
今回はここまでです。次回も引き続きパーキンソン病の薬物治療についてお話ししていきます。
パーキンソン病なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭鍼療法 YNSA学会 評議員)
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