脳卒中とリハビリテーション その10 脳卒中直後の機能回復
2016/06/16
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「運動麻痺の特徴」の中でも連合反応についてお話ししました。
今回は「脳卒中直後の機能回復」についてお話ししていきます。
さて、脳卒中を発症したすべての患者さんが後遺症をもつわけではありません。たとえばアメリカのカンザスシティでの調査によると、脳卒中発症後、症状が消失する患者さんの割合は、発症後数日で約10%あり、発症後1ヶ月で、運動麻痺や感覚障害などの神経症状に関してはさらに約15%で症状の消失がみられました。また、完全に症状がなくならなくとも、発症後1ヶ月経つと食事をする、歯を磨く、服を着る、トイレに行く、歩行する、階段の上り下りをするなどの日常生活動作は全体のうち約25%の患者さんができるようになっています。
つまり、発症後1ヶ月の時点で、患者さんの約4分の1は神経症状が消失し、消失しなかったうちの約3分の1も日常生活では完全に自立するまで回復しているということです。早い段階で運動機能が回復する患者さんは、発症後早期の治療がたいへんうまくいって脳のダメージが最小限に抑えられたか、もともとの病変が小さいために脳のダメージが少なく、おおむね脳機能が維持されたことが理由だと考えられます。
前述したように脳卒中の発症後間もない時期の機能回復は、いったん梗塞や出血によりダメージを受けたがまだ完全には死んでない部分がどの程度復活するかにかかっています。
たとえば脳出血では、血のかたまり(血腫)による脳への圧迫やその周辺に生じたむくみ(浮腫)が自然に引くか、外科的な血腫除去や浮腫を軽減するための点滴をおこなうことにより、いったん機能が低下していた部分の働きが回復します。それらが功を奏せば、比較的急速に機能の改善がみられるわけです。
今回はここまでです。次回も引き続き「脳卒中直後の機能回復」についてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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