脳卒中とリハビリテーション その17 脳卒中ユニットーなぜ効果があるのか
2016/06/30
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「脳卒中ユニット」がなぜ効果があるのかについてお話ししました。
今回は「日本の回復期リハビリテーション病棟」についてお話ししていきます。
さて、日本でも脳卒中発症後、なるべく早い時期に充実したリハビリテーションをおこなう必要性が強調され、2000年4月より診察報酬のなかに回復期リハビリテーション病棟が入院科が新設されました。
同病棟と認定されるには、いくつかの満たすべき条件があります。まず、発症後3ヶ月以内の脳卒中、脊髄損傷、大腿骨骨折などの患者が80%以上入院していること。また、専従のリハビリテーション医師1名、理学療法士2名、作業療法士1名以上を常勤として配置し、看護師はベッド3に対して1の割合以上、看護補助者はベッド6に対して1の割合以上であること、などです。(2005年11月現在)
この病棟では、医療機関は入院基本料に加えて、リハビリテーション料を別に算定できることになっています。また入院している患者さんに対し、リハビリテーション総合実施計画という書類を定期的に作成し、病気の状態や合併症、麻痺や言語障害の程度、日常生活動作でできること、実際にやっていること、心理的状態、生活環境などについて評価し、患者さんや家族の希望をふまえて、目標をたてて、どのようにリハビリテーションをおこなっていくかを記載して説明することが義務づけられています。
同病棟では言語聴覚士や医療ソーシャルワーカーなどの配置は必須ではないものの、多角的なチームアプローチがなされる点で、前述した欧米(とくにアメリカのリハビリテーション専門病院)の脳卒中ユニットに近い形態と考えられます。
欧米に勝る点は、この回復期リハビリテーション病棟への入院が最大6ヶ月まで医療保険で認められていることです(ただし現状では2〜3ヶ月の入院が多い)。たとえば、アメリカのリハビリテーション専門病院の入院期間は平均20日足らずであることを考えれば、日本はたいへん恵まれているように思われます。
ただし、欧米では自宅に帰ったあとの在宅でのリハビリテーションサービスが日本よりも充実しているので一概には比較できません。しかし日本でも今後、医学的に全身の状態が落ちつけば、入院ではなく本来の生活の場である家庭で十分なリハビリテーションを受けられるような方向に整備を進めることも重要になるでしょう。
今回はここまでです。次回は「リハビリテーションで何がよくなるのか」についてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
〒557-0014 大阪市西成区天下茶屋2-21-10
TEL&FAX 06-6659-0207 Email: mail@ynsa-japan.com
ご予約・お問い合わせ
必ずあなたのお悩みの症状を最短期間で改善することをお約束いたします。