脳卒中とリハビリテーション その22 経頭蓋磁気刺激法
2016/07/11
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「なぜ機能回復が起こるのか」の中でも健常者と患者さんの脳活動についてお話ししました。
今回は「役割を変える脳細胞」の中でも神経の役割の変化を調べる方法として「経頭蓋磁気刺激法」についてお話ししていきます。
さて、機能回復にともなって脳の神経ネットワークの再構成が起こることと並んで、もう一つの重要な変化は、大脳皮質の一次運動野内に存在する運動神経細胞の役割の変化です。
リスザルを用いた動物実験からわかった重要な事実は、手を使う訓練、例えば小さなエサ入れからエサを取る訓練をおこなうと、一次運動野の中で手を動かす運動神経細胞の割合が増えるということです。
リスザルでは一次運動野の運動神経細胞をじかに電極で刺激することでどの部位がどの筋肉を動かす役割をもっているのか評価することが可能ですが、ヒトでは手術が必要な場合などを除いてはそのようなわけにもいきません。その代わりによく用いられる方法が経頭蓋磁気刺激法(TMS)というやり方です。
電機の代わりに頭皮の上に置いた磁気コイルで磁場を発生させることにより、大脳皮質にある運動神経細胞を苦痛なく刺激することができます。頭蓋に電気を通して刺激すると、直接、運動神経細胞が働きますが、磁気刺激では運動神経のまわりにある神経(介在神経)をまず刺激して、その結果、運動神経細胞を働かせます。
この検査により、一次運動野の運動神経細胞から手や足を動かす命令がその筋肉に伝わるまでの時間や神経の興奮の強さを測定します。また、頭皮上のコイルの位置を少しずつずらして刺激をしていくことにより、手や足を動かす運動神経細胞が大脳皮質の中でどのくらいの範囲にわたって存在するかを評価することも可能です。
今回はここまでです。次回は「役割を変える脳細胞」の中でも、今回お話した経頭蓋磁気刺激法を用いて調べた結果、どのように脳細胞の役割が変わったかについてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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