脳卒中とリハビリテーション その25 健常者の歩行時の脳活動
2016/07/25
こんにちは、大阪市西成区天下茶屋の康祐堂鍼灸院です。
前回は、「歩行機能回復と脳の変化」についてお話ししました。
今回は「健常者の歩行時の脳活動」についてお話ししていきます。
さて、下肢を動かす運動神経細胞は、一次運動野のなかでもより内側に存在します。健常者がトレッドミル(ランニングマシーンのこと)の上で時速1kmのペースで歩行した時、一次運動野の内側とその前側にある補足運動野を中心に、ほぼ対照的に活動(酸素化ヘモグロビンの増加)が見られました。歩行の場合は両方の下肢を動かすので両側大脳半球で一次運動野の活動が見られるわけです。
比較のために立ったままで歩かずに歩行時と同じように腕を振ると、両側の一次運動野の下肢領域より外側にある腕の領域が活動しました。座ったまま足の関節を屈伸すると内側の一次運動野を中心に活動が見られますが、歩行時に比べて活動する範囲が限られてます。
さらに興味深いことに、歩くことを想像すると歩行時の脳活動に近い活動分布を示すことがわかりました。実際の歩行と比べると活動の中心は一次運動野よりも前の補足運動野に見られますが、ここで大切なことは運動の想像をするだけで実際に運動をするときと同じような神経ネットワークが活動するということです。
このような理由からよい運動をイメージすることがリハビリテーションに役立つのではないかという考えが出てきています。この考え方が正しいかどうかはまだ十分には検証されていませんが、肯定的なデータも一部出始めており、家庭でも心構えだけで手軽にできるので、試してみる価値はあると思います。
今回はここまでです。次回は「促通手技」についてお話ししていきます。
脳梗塞、脳卒中、片麻痺なら大阪市西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
院長 冨田 祥史(山元式新頭針療法 YNSA学会 評議員)
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