パーキンソン病の姿勢反射障害と脚橋被蓋核のコリン作動性神経細胞の変性・脱落 天下茶屋の康祐堂鍼灸院
2016/01/30
パーキンソン病では、直接経路(抑制性)・間接経路(興奮性)ともに、ドパミンの減少により淡蒼球内節部の過剰興奮状態をきたし、これが結果として視床や脚橋被蓋核への抑制性経路の増大をもたらして運動機能低下(無動や固縮)の出現につながると考えられています。振戦については、淡蒼球外節と視床下核間ループ、あるいは大脳皮質・小脳・視床ループを介した共振回路形成が関係していると推定されています。 最近、さらに脚橋被蓋核のコリン作動性神経が直立姿勢・歩行に重要な役割を果たしていることを示唆する重要な知見が得られてきました。実際、姿勢反射障害の目立つPD症例では、同部の変性脱落が目立つこと、さらに実験動物(サル)において選択的に同部を破壊するととくに体感優位の筋固縮、腹側への体幹屈曲、歩幅減少や歩行スピードの低下をきたすことが報告されています。サルなどの脚橋被蓋核の近傍には歩行誘発野が存在し、淡蒼球内節/黒質網様体部からGABA性抑制ニューロンの投射を受け、歩行運動の開始や遂行に関与していることが判明しています。姿勢反射障害にはすくみ足や方向転換の困難さを伴うことが多く、これらの症状発現に歩行誘発野の関与が示唆されています。 以上をまとめると、主に黒質ドパミン細胞の変性に起因すると考えられる無動・四肢の筋固縮そして振戦に加えて、主に脚橋被蓋核のコリン細胞の脱落に起因すると推定される体幹固縮や姿勢反射異常がこれに加わることにより、特徴的なPDの運動機能障害が構成されていると現在考えられています。
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