多系統萎縮症⑥【大阪で鍼灸治療を受けるなら康祐堂あけぼの漢方鍼灸院へ】
治療法と日常生活の管理
多系統萎縮症(MSA)に対して明らかに有効とされる治療法は未だ確立されていませんが、対症療法や合併症に対する治療を行います。
パーキンソン症状には、比較的多量のレボドパが一部有効とする報告もあり、その効果は初期に限られています。
小脳症状を軽減するために、甲状腺刺激ホルモン分泌ホルモン(TRH)作用のある経口薬タルチレンが使用されますが、効果は一定しません。
起立性低血圧に対しては、弾性ストッキングの着用をすすめ、薬物療法で改善を図ります。
排尿障害に対して初期には薬物加療が有効ですが、それでも残尿が認められる場合には、間欠的導尿などを行って尿路感染を予防します。
リハビリテーションを積極的に取り入れ、転倒予防、拘縮や痛みなどの二次的合併症の予防に努めます。
また、発声障害や嚥下障害の比較的早い進行が見込まれるため、コミュニケーション手段の工夫や誤嚥予防策にも早期から取り組む必要があります。
一般に認知機能は大きくは障害されませんが、前頭葉機能が低下する症例もあります。
大阪で多系統萎縮症なら西成区天下茶屋の康祐堂あけぼの漢方鍼灸院
電話:06-6659-0207 FAX:06-6659-5858
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診断
診察上、自律神経症状、パーキンソン症状、小脳性運動失調の3つが存在すれば、本症の可能性を強く疑い、鑑別のための検査を行います。
自律神経症候は、初期には本人が気づいていないことがあり、起立テストや残尿測定、膀胱内圧測定にて判定する必要があります。
MSA-Pでは、パーキンソン病との鑑別のため、レボドパを十分量投与してその反応性を確かめることも参考となります。
脳MRIを行い、被殻の萎縮を反映した所見もしくは、小脳半球の萎縮や橋の横走線維の変性像を確認できれば診断はより確かなものとなります。
ラジオアイソトープを用いた検査も診断の役に立ちます。
ドパミントランスポーターシンチグラフィー(ダットスキャン®)では、パーキンソン病と同じく低下がみられますが、MIBG心筋シンチグラフィーでは、パーキンソン病では低下するのに対して、正常に保たれます。
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自律神経障害
多系統萎縮症(MSA)では、排尿障害と起立性低血圧を中心に、発汗低下、体温調節障害、陰萎といった自律神経症状が先行します。
排尿障害は最も頻度が高く、頻尿(尿の回数が多い)、尿失禁(尿漏れ)から始まります。
進行期には、残尿(排尿が終わった後も膀胱内に尿が残る)や、突然の尿閉(尿が全く出せなくなる)が起こり得ます。
残尿や尿閉は、尿は作られるが排泄できない状態で、感染を伴うと尿路を上行して腎盂腎炎の原因となります。
腎盂腎炎は38度以上の熱が出て、重症化につながるため、中期以降のMSA患者さんの排尿状態は気を配っておく必要があります。
起立性低血圧も合併しやすい症状です。
仰臥位の血圧は正常もしくは高いくらいなのに、立ち上がった直後に血圧が下がって立ちくらみを起こします。
軽度の場合には特に症状がなく、診察室で起立テストを行って初めて診断されることもあります。
重症になると、起立直後に失神したり、長く椅子に腰かけているだけでも血圧が下がって意識が遠のいたりすることがあります。
入浴後、食後、排泄前後、こたつから立ち上がる際には、一層症状が出やすいので注意を要します。体温調節に障害があると、暑い部屋にいるだけで高体温をきたすことがあり、これをうつ熱といいます。
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小脳性運動失調
多系統萎縮症(multiple system atrophy: MSA)のうち、小脳性運動失調による構語障害や歩行不安定が前景にたつ場合をMSA-Cと呼びます。
構語障害には、いわゆるロレツが回らない、あるいは音と音がつながってしまうといった特徴があります。
また、歩行時に腰部の位置が定まらずゆらゆらと揺れる体幹動揺や、足を左右に広げて歩く失調性歩行がみられます。
進行すると、転倒しやすくなるため注意が必要です。
上肢には、動作に伴うふるえや拙劣さが出現します。
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多系統萎縮症とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がおかされる疾患で、3つのタイプがあります。
小脳や脳幹が萎縮し、歩行時にふらついたり呂律がまわらなくなる小脳失調型、大脳基底核が主に障害され、パーキンソン病と同じような動作緩慢、歩行障害を呈する大脳基底核型、もうひとつは自律神経が主に障害され起立性低血圧や発汗障害、性機能障害などがみられる自律神経型です。
以前は、これらのタイプは別の疾患と考えられていましたが、どのタイプも脳の細胞の中にαシヌクレインという物質がたまりGCIとよばれる構造物が出現することが判明し、同じ病気の症状の出方にすぎないことが分かってきて、現在では多系統萎縮症と総称され脊髄小脳変性症という疾患群の一つに分類されています。
遺伝性はなく、原因については現在研究が進められているところです。
中高年に発症することが多く、パーキンソン病よりは頻度が少ないですが進行は比較的早いとされています。
症状が進んでくると3つのどのタイプも他のタイプの症状を合併するようになり、文字通り多系統の障害に至ります。
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予防の基礎知識
ジストニアの予防は診断と同様に難しいため、発症後できる限り早期に受診し、治療に結びつけることが重要と考えられます。
不随意運動や姿勢異常がみられることから、他人からも気づかれやすいともいえます。
本人はもちろん、周囲の人が気づいたらまずは神経内科の受診を勧めてもらえれば幸いです。
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早期発見のポイント
疑わしい特徴を持つ不随意運動や姿勢異常が認められたときは、神経内科医に相談することをお勧めします。
ジストニアかどうかを判断するには、筋骨格の障害または心理的な障害ではなく、神経障害として不随意運動や姿勢異常が起きているのを確認することがまず必要です。
病院では、二次性ジストニアかどうかを判断するため頭部や頸部の画像診断を行ない、若年発症または家族に発症した人がいるジストニア患者さんの場合、遺伝子検査を行ないます。
心理的な原因で引き起こるジストニアと身体的異常が原因で引き起こるジストニアを鑑別する検査がないため、初診で心因性ジストニアと診断される患者さんが多いなど、ジストニアの診断は困難な点も多いのですが、先述の治療により症状を軽減することも可能です。
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ジストニアの予後
ジストニア自体で生命がおびやかされることはありません。
また大半の患者さんは正常知能で知能が障害されてしまうこともありません。
ただ、経過が長くなると首や手足などの骨が変形して脊髄を圧迫し麻痺やしびれなどの原因になる場合があります。
原因がわかっておらず病気自体を根本的に治すことは困難です。
しかし従来治療法のなかった時代から比べると、現在ではさまざまな治療によって、良好な経過をたどることもまれではありません。
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ジストニアの治療
【全身性ジストニア】
若年発症のジストニア患者さんには、パーキンソン病治療に使われているレボドパ製剤という薬を用いた治療が試みられます。
一日の中で症状の程度が変化するドーパ反応性ジストニアではレボドパ治療が効果的ですが、ある一定量のレボドパ製剤を投与しても効果がない場合には、ドーパ反応性ジストニアではないと考えられます。
次の処方の単独または組み合わせにより、症状の緩和が認められることがあります。
①トリヘキシフェニジル
一日2mgから服用し、適宜増量します。急性のジストニア反応にも有効です。
②クロナゼパム、ジアゼパム
筋弛緩効果があり、副作用として眠気が起こりやすいです。③カルバマゼピン
てんかんの治療薬で、全身性ジストニア、特に突然発症する「発作性ジストニア」に有効です。④バクロフェン
中枢性筋弛緩薬で、特に脳性まひなどが原因のジストニアに有効です。重度の体幹・下肢のジストニア患者さんに対して、皮下に装着されたポンプからこの薬剤が持続して髄液内に注射されることがあります。
⑤テトラベナジン
不随意運動を抑える薬で、副作用としてパーキンソン症状や抑うつをきたすことがあります。
1~5の薬剤治療で効果が得られなかった場合、電気で神経を刺激し細胞活動を抑制する深部脳刺激治療が行なわれることがあります。
【局所性ジストニア】
眼瞼けいれんや痙性斜頸、書痙といった局所性ジストニアの治療では神経毒であるボツリヌス毒素を不活化した局所注射が行なわれます。
この治療は2~4ヵ月程度で効果がなくなるため、その都度治療を繰り返さなければなりません。
患者さんの中にはボツリヌス毒素に対する抗体が生成され、治療効果が弱まり注射量を増やす必要がある人もいます。
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パーキンソン症状(錐体外路症状)
多系統萎縮症(MSA)のうち、振戦(ふるえ)、動作緩慢、固縮(四肢や体幹の固さ)、発声異常(小声、単調言語、嗄声)、姿勢反射障害などのパーキンソン症状が前景にたつ場合をMSA-Pと呼びます。
パーキンソン病との鑑別は初期には難しいこともありますが、いくつかの特徴で区別します。
振戦で発症する割合は、パーキンソン病では50~70%とされますが、本症では約10%にとどまります。
振戦の特徴も異なり、パーキンソン病でみられる安静時の規則的な丸薬丸め振戦はまれで、MSAでは手指にミオクローヌス様振戦(myoclonic tremor)と呼ばれる、手指の不規則で小さなふるえが特徴的です。
また、パーキンソン病では振戦、固縮、動作緩慢などの症状は左右のいずれかに強いのが特徴ですが、MSAではあまり左右差がはっきりしないことがあります。
他に、通常のパーキンソン病に比べ、発語障害や嚥下障害の進行が早い場合、十分量のレボドパ(パーキンソン病の特効薬です)加療にほとんど反応しない場合、診察上、錐体路徴候(腱反射亢進やバビンスキー徴候陽性)を認める時にはMSAが疑われます。
首下がりなどの極端な姿勢異常を初期から合併することもあります。